2018年4月10日火曜日

青木ヶ原樹海コケさんぽ 開催の様子


第二回 青木ヶ原樹海コケさんぽ開催しました。

その様子をちょこっとご紹介





今回もコウモリ穴駐車場からスタートするコース。
だいたい1km位の距離を折り返しです。


たった1kmと思うかもしれませんが、
コケの人達からすると、ハーフマラソン位の距離感なのです。

しゃがんで覗いて、少し進む
しゃがんで覗いて、少し進む
の繰り返し。


今回のテーマ
「タマちゃんを探せ!」

道草のコケさんぽは、難しいコケの種類のお話しとかは抜きにして、
コケのお話ししながら楽しく観察できればOKってゆるい会。

前回は散策して、最後に樹海でガチャという謎のエンターテイメントであった。

それでも、毎回なにかテーマがあった方が面白いよねってことで、
今がシーズン見ごろ 胞子体付きのタマゴケを探そうって企画。
ただ探すだけでもつまらないので、フォトコンテストも開催。
一番かわいいタマちゃん撮った人に賞品がっ。

フォトコンの結果は後日公開します。


一緒に企画しているpisca-piscaのイケダさんが、
何度も足を運んで、タマちゃんの出具合、雪の残り具合を調査してくれました。


楽しんじゃおう企画を本気で、準備できるのって嬉しいよね。
入山申請やら、保険の加入やらといった難しいことも全てイケダさんにお任せ。
ーーーああ、仲間偉大ーーー



今回は何しろ、タマちゃん合わせで予定を組んだので、
募集が急! しかも平日!
参加したかったのにー、というお声もちらほら。
申し訳ない。


さてさて、コケさんぽの様子へ


まあ皆さん、当然しゃがみ込むわけで笑
進まない。。。






樹海に生えるコケの魅力の一つは、
なんといっても富士山の噴火で生じた溶岩石に生えるコケ!

道草で最近作製している、着生苔石シリーズもこの景色を再現したくて始めたもの。

ゴツゴツした溶岩石を柔らかく覆っている感じも良いのだけど、
生え途中の、今伸びてるぞーーーってところがたまらないわけ。





そして、割れ目や窪地ね!
これも青木ヶ原樹海ならではの景色。
(危険だから穴の中には入らないで!
さらに穴が深くなっていたりするから)


林床でよくみられるフトリュウビゴケ

木の幹に生えるホソバオキナゴケ

シッポゴケの仲間もいっぱい生えている。

木の幹でくるくるカールのヒムロゴケを眺めるのもよい。

こちら主役のタマちゃんこと、タマゴケ

最初の駐車場にもたくさん生えていたことは、
帰るまで秘密にしていたのだ。


前半戦でみんなタマゴケを見つけてしまったので、
折り返しから、クジャクゴケを探せ!に切替。
この写真は昨年撮影したもの。


他、ホウオウゴケや、コツボゴケ、
エゾチョウチンゴケも見つけることが出来ました。


そうそう、この辺りは標高1000m弱でそれほど高いわけじゃないのだけど、
エゾチョウチンゴケやイワダレゴケ、コセイタカスギゴケなど、
亜高山帯に自生する種類も見つかるのですよ。
富士山の谷から雪の雪崩と共に、植物が流されてくるので、
コケに限らず、植生が乱れているんだって。
尚且つ、夏の気温が低いので、生き残れちゃうんだねきっと。

岩の裂け目には、少し雪が残っている。




こうした開催された第二回青木ヶ原樹海コケさんぽ。
なんだか陰惨としたイメージの強い樹海ですが、
整備された遊歩道を歩けば安全ですし、
コケに植物に鳥に、自然の見どころはいっぱい


ちょっとでも、明るいイメージが付いたら良いよねって。。。
(明るいイメージつけるのに、組む相手間違ってないって内心思ったりww)
(ドクロな作品とか、ドクロな作品とか、、、)


さて、次回の青木ヶ原樹海コケさんぽは、夏に開催します。
次回は一回目とも二回目とも違った趣向のものをと、
イケダさんと共に、企画をねりねりしております。
夏らしく、みっちり苔三昧の一日を過ごせる感じで!


詳細決まり次第発表しますので、
今年の夏は、一日青木ヶ原樹海に出かける予定を考えておいて下さいませ。


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追加記事 第3回青木ヶ原樹海コケさんぽ開催決定
ーコケづくしの日ー
開催日 7月26日(木)

詳細はこちらをご覧ください。





2018年4月2日月曜日

ジャゴケ探検隊 赤目四十八滝

三重県と奈良県の県境赤目四十八滝で開催された「ジャゴケ探検隊」なる謎のタイトルが掲げられた、観察会に参加してきました。



ジャゴケとひとくくりに言っても、
「オオジャゴケ」「ウラベニジャゴケ」「タカオジャゴケ」「マツタケジャゴケ」と4タイプあるらしい。

我々が、良く食しているのは「オオジャゴケ」。

その4タイプの分類と、分布域の調査をしている、兵庫県立人と自然の博物館の秋山先生が隊長となり、ジャゴケに関する知識向上。ジャゴケに興味がある人の親睦を目的に開催されたイベントなのだ。

まず、このお誘いが来た時点で、「ジャゴケに興味がある人の親睦???」ジャゴケに興味がある人が、親睦をはかるほどいるのか?などという疑問を持ちつつ、ジャゴケテーマの観察会に参加しないわけにはいかないであろうということで、仕事の合間を縫って、予定を強引に入れ、参加してきました。

しかも、その???な人が20名近く、あっという間に定員いっぱいになったのだから驚きだ。遠くは東京、千葉、宮崎、佐賀からいらしている方も! ジャゴケの引きの強さおそるべしである。



ジャゴケの説明に真剣に耳を傾ける参加者。


ジャゴケの生える壁に群がる参加者。



今回の調査では、残念ながらターゲットであったマツタケジャゴケは見つからず、ひたすらにオオジャゴケワールドが広がっていた。一部、ウラベニらしきジャゴケが生えており、その辺りは秋山先生の分析が待たれるところ。


その他教えていただいたこと>
調理する前にジャゴケを切って、置いておいたときに出てくる、粘り気は多糖類であるということ。ジャゴケの中心付近に、その多糖類を貯蔵する管があるということ。その栄養を狙って、線虫やハモグリアブなどが食害するということ。他のコケでも多糖類を貯蔵するものはあると思われるが、秋山先生はご存知でないということ。ということは、ジャゴケなかなかに特別なヤツなのか? そして苔の中でも栄養があるため、虫に食べられた跡を多く見ることが出来る種類ということらしいのだ。(ひょっとして、我々が苔の中でもジャゴケばかり食べているのは、動物の本能としての必然??)







さて、ジャゴケ以外にもたくさんのコケを観察できたので、その一部をご紹介。


【カビゴケ】
文字通り、葉っぱにカビのようにつくことから、カビゴケ。
香りがあるのだが、その香りはカビ臭いわけでなく、
なかなかにスパイシーで良い香りがする。



【オオシラガゴケ】
他のコケと比べると、白髪のように白っぽく見える。
ホソバオキナゴケやアラハシラガゴケの仲間で、大柄な種類だ。


単独で生えているのは、こんなに長く成長したものも!



【ホウオウゴケ】
斜面から生える羽のようだ。
雫がまた美しい。



【ムクムクゴケ】
密かに今回一番会いたかったコ。
いーーーぱいいました。
ああ、ムクムクゴケにだったら、何されても許してしまいそう。
そんな愛らしいお姿です。



とりあえず、他にもいっぱいありすぎて、まとまらないので、この辺で。


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ちょい番外編。

赤目四十八滝にいって、
滝の写真を一枚も撮っていないことに今更気が付く。。。



途中のお茶屋さんにあった看板。
この看板ほしい・・・。



コケに滴る
雫の美しさと言ったら。
こんな宝石があったら、
ずっと見ていられるだろうな。